PRODUCTS製品案内

走査型プローブ顕微鏡 Scanning Probe Microscope

attocube社 極低温CFM

attoCFM I

attoCFM I

極低温共焦点レーザ走査型顕微鏡

attoCFM I

レーザー共焦点顕微鏡は長年にわたって試料の三次元の光学像を得る最適な方法としてさまざまな研究の現場で使用されてきました。共焦点顕微鏡は焦点外の影響を排除するため、通常の光学顕微鏡よりも 高い空間分解能を得ることが出来ます。 極低温の分野においてはこれまで対物レンズが室温中に置いていたため特に磁場中の高分解能の光学像を得ることは困難でした。attocubeのレーザー共焦点顕微鏡attoCFMシリーズ では対物レンズを極低温下に持つため通常の共焦点顕微鏡の測定が低温・磁場中で行うことが出来ます。また分光器を接続することで様々な分光測定に使用することが出来ます。

attoCFM Iは、多様なアプリケーションに対応すべくフレキシビリティを最大限活かす用デザインされています。これには、クライオスタットの外に位置する共焦点光学系ユニット、フリーニームによる光学系が含まれ、励起光、シグナル光のフィルタリングが容易にセットアップできるようになっています。

共焦点ユニット

cfm head

シングルモードファイバーに入射したレーザー光の一部はビームスプリッターで反射され試料表面にレンズを通して照射されます。試料からの反射光は集光用ファイバーに入射します。この時集光用のファイバーが共焦点顕微鏡の ピンホールとして機能します。

  

  1. コリメータ: シングルモードファイバ接続、ビーム径約5mm. フリービームカップリング(オプション)
  2. 励起光、シグナル光用FC/APC接続シングルモードファイバ。ファイバーコアは共焦点用ピンホールとして使用します。対応可能波長領域: 305 – 450 nm; 405 – 532 nm; 450 – 600 nm; 600 – 800 nm; 780 – 970 nm; 970 – 1650 nm; 1260 – 1620 nm
  3. ビームスプリッタ位置:外から位置切り替え可能
  4. ビームスプリッターキューブ上に追加フィルターマウント2コ。1インチサイズまで、厚み11mm未満。またはSM1レンズチューブフィルター取付可能
  5. ビームスプリッターオプション標準: modified Zeiss cube (各種プレート型ビームスプリッターに対応25.2 mm x 35.6 mm x 1.05 mm) (ダイクロイックビームスプリッタ 400-800 nm など)
  6. オプション: 偏光ビームスプリッタ
  7. オプション:無偏光ビームスプリッターキューブ
  8. フィルタードロワー: 最大1インチフィルター2コ(厚み11mm以下)またはSM1レンズチューブフィルター。回転用ピエゾローテーター対応可能(オプション)
  9. θ/Φミラー:外から調整可能

オプション:共鳴蛍光アップグレード

偏光消光を利用することで半導体量子ドット、ダイヤモンドの色中心、単分子などの共鳴蛍光を測定することができます。ここで励起光は偏光ビームスプリッタで反射されるように偏光されており、反射された光が試料に照射されます。試料から戻ってきた光は同じ偏光ビームスプリッタにてブロックされ、消光比最大10^7程度が得られます。同じ波長で放出される蛍光(共鳴蛍光)は異なる偏光を持っており検出することができます。

仕様

一般仕様
形式 フリービームによる室温光学系、極低温対応対物レンズ
センサーヘッド 極低温アクロマティック対物レンズ、高NA
共焦点ユニット
配置 ファイバーアパーチャーをピンホールとして使用(励起光ポート、シグナル光ポート)
ピンホール シングルモードファイバのアパーチャーを使用
ピンホールサイズ ファイバーに依存(3-9µm)
極低温対物レンズ LT-APO/VIS, LT-APO/VISIR, LT-APO/NIR(詳しくはこちら)
モニターカメラ 試料モニター、視野角約54μm(attoDRY使用時), 約40μm(attoLIQUID使用時)
励起光
励起光波長 400-1000nm(標準650nm)
励起光用ポート FC/APCコネクター(シングルモードファイバ)またはフリービーム導入
検出
検出モード 反射光、ルミネッセンス、蛍光、ラマン(オプション)等
検出光波長領域 各種検出器に依存
シグナル光ポート FC/APCコネクター(シングルモードファイバ)またはフリービーム導出
透過オプション 低温対応光検出器による(強度検出)
試料粗動機構
移動範囲 5 x 5 x 4.8 mm3(オープンループ)
ステップサイズ 0.05..3 µm @ 300 K, 10..500 nm @ 4 K
スキャン範囲 50 x 50 µm2 @ 300 K
30 x 30 µm2 @ 4 K (オプション)
クローズドループスキャン機能 オプション
試料ホルダー ASH/QE/4CX クイックイクスチェンジ(電極8本、温度センサー、ヒーター内蔵)
動作環境
温度範囲 1.5 K..300 K (クライオスタットに依存); mK対応可能
磁場範囲 0..15 T+ (マグネットに依存)
圧力・真空度 ヘリウム交換ガス中(真空対応可能,10-6 mbar)
設置空間
ハウジング直径 48 mm
ボアサイズ 2インチ (50.8 mm)ボア
対応クライオスタット attoDRY1000/1100/2100
attoLIQUID1000/2000/ (attoLIQUID3000/5000要確認
)
エレクトロニクス
スキャンコントローラ ASC500/Basic
レーザー LDM600レーザー・検出器モジュール
オプション
ラージスキャンエリアアップグレード >80 x 80 µm2 @ 300 K
125 x 125 µm2 @ 4 K
クローズドループ粗動機構 抵抗式エンコーダー(粗動範囲5 mm、エンコーダー位置再現性1-2 µm)
クローズドループスキャン レーザー干渉式エンコーダー方式(詳しくはこちら)
Voigt配置 Voight&Faraday配置オプション

ダウンロード

メーカーサイトへのリンク

アプリケーション

attoCFM Iによる多体系励起状態の観察

図はチャージチューナブルデバイス中のInAs/GaAs量子ドットのフォトルミネッセンスの三次元マッピングを示しています。[1] 半導体量子ドットの状態がフェルミの海の連続体の結合が、多体系励起状態を顕在化させる新たな光学的転移をもたらすことが見出されました。ここで見出された実験結果は測定に15時間以上かかり、その間アライメントを要しませんでした。attoCFM Iの安定性を証明しています。

[1] N. A. J. M. Kleemans et al., Nature Physics 6, 534 – 538 (2010)

Material Composition and Strain Analysis

Researchers at University of Sheffield have developed a modified optically detected NMR technique, which allows for structural analysis of strained quantum dots. This innovative method proved to be an important non-invasive spectroscopy method for structural analysis especially of strained nanostructures and requires no special preparation of the sample.

[1] E.A.Checkhovich, et al., Nature Nanotechnology 7, 646 (2012)